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中央検査室


海の近くのみなとみらい地区にあり、パシフィコ横浜が近いので開催される学会や展示会にも参加しやすいメリットがあります。1フロアにすべての検査部門が集結しているので相互にフォローがしやすく一体感があります。

中央検査室はどんな検査を?

中央検査室はゆとりあるスペースの中に【生化学・免疫血清】・【血液一般】・【輸血検査】の3部門がバランスよく配置されており、検体や検査データの共有もスムースなので検体検査を効率よく行える環境です。昨年導入された新しい検体搬送システムにより一層効率化が進みました。
臨床検査専門医が常駐されているので検査全般に関することや学術的なアドバイスをいつでも受けることが出来、とても勉強しやすい環境です。

生化学・免疫血清検査

生化学大型自動分析装置2台(酵素系、脂質、蛋白関連項目など多項目)、免疫化学分析装置2台(主に腫瘍マーカー、感染症検査)が検体搬送システムに連結されているほか、スタンドアローンの化学免疫分析装置1台(トロポニンやBNPなどの心疾患関連項目や血中薬物濃度などを測定)血糖分析器、ヘモグロビンA1c分析機、血沈測定器、血液ガス自動分析装置、蛋白分画分析装置、浸透圧測定装置などを稼働し、日々のルーチン業務を行っています。

正確な検査データを報告するために日々の分析機の状態管理や精度管理がとても重要です。
日本臨床衛生検査技師会や日本医師会、その他の外部精度管理への定期的な参加により精度を保っています。
その他、用手法によるウィルス抗原の簡易検査、患者さんに直接接する検査としてはピロリ尿素呼気試験、採血室での外来患者さん、病棟に出向いての入院患者さんの採血業務なども行っています。

血液・一般検査

血液・一般検査室では血液・凝固線溶検査、骨髄検査、尿や便、血液以外の穿刺液などを分析しています。

血液検査

血液の有形成分(血球)の検査と、液体成分(血漿)から凝固線溶検査などを行なっています。
主に行なっている検査
  • 血球分析:自動血球分析装置を用いて赤血球・白血球・血小板などの数や形態を調べ、以前と比較し、どのくらい推移したかを見て貧血や炎症、病気の有無などを調べます。機械でとらえることのできない細胞形態の変化や異常細胞の検出などは血液塗抹標本を作製し、顕微鏡下で細胞を観察します。

  • 骨髄検査:造血能(血液を作る能力)の量的および質的異常を疑う場合に行ないます。医師が骨の中にある骨髄組織を採取する際は技師が診療の場に出向き、骨髄塗抹標本をその場で作製します。細胞数算定、顕微鏡下で細胞を観察し、報告書の作成をします。白血病をはじめとする血液疾患や癌の骨髄転移などの診断、病期の決定、治療の効果判定などのために行なわれます。

  • 凝固線溶検査:出血を止めるために血液が固まる(止血栓を作る)働きを凝固、固まった止血栓を溶かし分解する働きを線溶といい、生体内では不都合が起こらないように両者がバランスよく機能しています。これらのどこかに欠陥があると検査値が異常になり、出血や血栓傾向の診断に役立ちます。

一般検査

尿や便、穿刺液などを対象に検査を行ない、腎臓や各臓器の異常を調べます。
主に行なっている検査
  • 尿検査:尿の色調、PH、比重、尿中タンパクや糖、血液成分の有無を試験紙で調べる尿定性や、尿中に含まれる血球や細胞などの有形成分を顕微鏡下で調べる尿沈渣などがあります。腎臓・泌尿器疾患や様々な病気やその兆候を知ることができます。

  • 便検査:便に血液が含まれるかを調べる便潜血検査などを行なっています。

  • 穿刺液検査:脳脊髄液、胸水、腹水などの細胞数算定や関節液の結晶成分の鑑別を行なっています。

採血を受けられる患者さんへ

○ 採血について
採血は、病気の診断や病状の把握を行うために必要な医療行為です。
基本的には安全性の高い手技ですが、まれに合併症が起こることがあります。
採血によって得られる情報が、採血を行う危険性より重要であると担当医が判断した場合に採血を実施しております。
採血の必要性・危険性をご了承の上、採血をお受けいただきますようお願い申し上げます。

○ 採血の主な合併症について
  • 止血困難・皮下血腫(青あざ)
採血後に血が止まりにくかったり、青あざが生じたりすることがあります。十分な圧迫止血をお願いします。血が止まりにくい方は、お申し出ください。
  • アレルギー
採血時の消毒薬でかゆみ、発疹をはじめとするアレルギー症状が出ることがあります、アレルギーをお持ちの方はお申し出ください。
  • 神経損傷
採血後も手指へ拡がる痛み、しびれなどが持続することがあります。約1万回~10万回の採血に1回程度起こるとされています。皮膚表層近くの神経は個人差が大きいため、神経損傷を100%防止することはできません。通常の採血で太い神経の断裂を起こす可能性は低く、症状は一時的な場合がほとんどです。痛み、しびれが続く場合はすぐにお申し出ください。
  • 血管迷走神経反応
採血時や採血前後に、神経が興奮し急激に血圧が低下することによって、めまい、気分不良、意識消失などを引き起こすことがあります。気分の悪くなったことがある方は、お申し出ください。

※これらの症状が起きた場合には、最善の処置を行います。なお、その際に要する医療費は通常の保険診療扱い(費用などはご自身の負担)となりますので、ご了承ください。

輸血検査

担当業務は、輸血前検査・製剤管理業務が主でありますが、他にも輸血チーム医療の一員として輸血療法管理業務も積極的に行っています。

輸血前検査

血液型検査(ABO・RhD)不規則抗体スクリーニングは全自動輸血検査機器で行い、交差適合試験、抗体同定、直接抗グロブリン試験は試験管法で行っています。その他には亜型検査の解離吸着試験や自己抗体陽性時の抗体吸着試験・抗体解離試験、妊婦の抗体価測定などを行っています。なるべく外部に検査委託しないで、迅速に製剤準備ができるように努めています。

血液製剤管理業務

管理している製剤は、赤血球、血漿、血小板、貯血式自己血、アルブミンが主になります。手術時の血液製剤準備方法としてT&S(タイプ&スクリーン)を採用しています。製剤廃棄は可能な限り少なくなるよう注意して管理しています。

輸血療法管理業務

中央検査室の中にあることを利点として、他の検査結果の異常値を速やかに共有し輸血療法のサポートを行っています。貧血のデータはもちろんのこと、カリウムが高値の場合は照射後直ぐの製剤を準備し、フェリチンが高値の場合は輸血後鉄過剰症の治療基準に達しているか確認しアナウンスもしています。その他には、副作用報告書の作成支援、血液内科カンファレンスの参加、産科危機的出血のシミュレーション、医師・看護師向けへの勉強会の開催などになります。他の職種と連携して安全な輸血療法に貢献できるよう取り組んでいます。

認定輸血検査技師

日本輸血・細胞治療学会が、輸血に関する正しい知識と正確な検査により、安全な輸血の向上に寄与する技師の育成を目的として導入された認定制度です。取得するには、条件を満たした臨床検査技師が、施設研修・筆記試験・実技試験を合格して認定されます。合格率は約30%と難関な試験ですが、現在2名が取得に向けて頑張っています。

チーム医療への参加

検査室以外の部門への参加として、糖尿病チーム、栄養サポートチームへの参加もしています。
NST~栄養サポートチームとは~
医師、栄養士、薬剤師、理学療法士、歯科医師、臨床検査技師、でチームを組み、入院患者さんの栄養状態を各方面から一丸となってサポートしています。その中で臨床検査技師は栄養状態の指標となる検査データを患者さんごとに毎月集計し、チームでの病棟回診に同行してベッドサイドから患者さんの状態や、各部門担当者のアドバイスや意見等を統合して検査データとの関連などを考察し、回診後のディスカッションにも参加します。
糖尿病チームでは…
簡易血糖測定器(SMBG)の使用方法の説明や機器の管理、CGM(持続血糖モニタリング)及びFGM(フラッシュグルコースモニタリング)の装着及び解析を行っています。
初めて血糖を自分で測定することとなった患者さんには安心して自分で検査ができるように丁寧な説明を行うように心がけています。また、療養指導をする上で必要だと思われることは積極的に多職種と連携し、患者さんの糖尿病療養に必要な支援を行うようにしています。
毎月行われる糖尿病教室では、糖尿病の病態による検査値の変化についてわかりやすい講義を行っています。

担当検査技師取得資格

緊急臨床検査士:3名
二級臨床検査士(免疫血清学):1名
二級臨床検査士(血液学):3名
認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師:1名
認定血液検査技師:2名
認定輸血検査技師:2名
日本糖尿病療養指導士:1名

若手からのメッセージ

検査を通して色々な人との関りがあります。医師や看護師から検査結果や内容について質問された時など、多職種の役に立つことが出来たときに日々のやりがいを感じることが出来ます。また機器や分析についての知識を増やしてより効率的、かつ正確に業務を行えた時に自分自身の成長を感じることが出来ます。
若手も多く、先輩方に仕事の相談もしやすい活気ある空間で仕事ができています。先輩後輩を問わずお互いが良い刺激となり日々成長していける職場です。